Q.
「中国四千年の歴史」と今まで聞いてきて、その通りだと思っていましたが、中国の歴史は75年であると知りました。そのことについてもう少し詳しく教えて下さい。
A.
まず、「中国四千年の歴史」という言葉の根拠は何なのでしょうか。一説にこの言葉の始まりはインスタントラーメンのコマーシャルであるとも言われています。1981年に販売された明星のインスタントラーメン「中華三昧」のコマーシャルで次のようなフレーズが使われたのです。
「拉麺(ラーメン)の歴史が変わる。中国四千年の味を伝える幻の麺」。
このキャッチコピーが「中国四千年の歴史」の始まりとすれば、何ともいい加減なものです。因みに、日本人が「中国四千年の歴史」と言うと、当の中国人は激怒するそうです。なぜなら、中国共産党は「中国五千年の歴史」と教えているからです。これまた、実にいい加減な教育です。
ところで、真実はどうなのかというと、「中国七十五年の歴史」が正解です。まず、「中国」という名称ですが、多くの日本人はユーラシア大陸(アジア大陸)の東部地域に存在している国を「中国」だと思い込んでいます。しかし、歴史上、大陸に「中国」という国号の国は存在していません。存在していたのは、例えば、「秦」であり、「漢」(前漢・後漢)であり、「隋」や「唐」、「明」や「清」といった王朝でした。歴史上のどの時代にも「中国」という国が存在したという事実はありません。
ただ、漢民族が建てた国が黄河流域にあり、その地域を天下の中心と考える「中華思想」の影響によって、自らを「中華」と称したという事実はあります。しかし、これも「中華」であって、「中国」ではありません。
ですから、先ほどご紹介したインスタントラーメンも「中華三昧」であって、「中国三昧」ではありません。一般的に「中華そば」とは言いますが、「中国そば」とは言いませんし、「中華料理」であって、「中国料理」ではないのです。また、日本で「中国」と言えば、広島や岡山などの中国地方のことです。
では、「中国」とは何なのでしょうか。これは、1949年に毛沢東の中国共産党によって成立した中華人民共和国の略称なのです。これが「中国」の真実であり、歴史的に見れば、たった75年の歴史しかないのが「中国」という国の実態なのです。ですから、「中国七十五年の歴史」というのが正確な表現なのです。