2024/11/01

「久延彦便り Q&A」について

Q.
 「久延彦」とはどのような神様なのですか。また、プロフィールを「久延彦」にしたのはどうしてなのですか。

A.
 久延彦とは、どのような神様なのでしょうか。奈良県桜井市にある久延彦神社の御由緒には次のように書かれています。

 「御祭神の久延毘古命は『古事記』に、どこへも足を運ばなくても、世の中のことを全て知っている神様で、知恵がたいそう優れておられると記されています。」

 久延彦は案山子の神であり、田んぼの中に一日中立っています。一本足の案山子はどこへも行くことができず、ただじっとしているだけなのですが、世の中のことは何でも知っているというのです。

 この『古事記』の物語は、現代に生きる私たちに何か大切なことを教えてくれているのではないでしょうか。それは、今あるところに立ち止まって、心静かに、世の中をじっと眺めてみるということです。そして、そこで見えるもの、感じるもの、心に思うことがあるとすれば、案外、それが最も正しいことなのかもしれないということです。

 いにしえの日本人は神話という物語の中に、確かな真実を見ていたのかもしれません。そして、これこそが後世に伝える最も大切なものであると知り、神話という形で語り継ぎ、代々にわたって伝えてきたのではないでしょうか。

 「温故知新」という言葉がありますが、神代の物語の中に、『古事記』や『日本書紀』のような歴史書の中にこそ、現代を生きる私たちにとって何よりも大切な知恵が隠されているのかもしれません。

 私たちはいつもどこへ行こうか、何をしようか、と心をわずらわせていませんか。より多くのものに触れ、見聞を広め、一日中動き回って様々な知識や情報を得ることが大切だと思っていませんか。田んぼの中にじっと立っている久延彦の知恵の方が、一日中動き回っている私たちの知恵よりもまさっているのではないでしょうか。

 そこで、読者の方々が疑問に感じること、尋ねてみたいと思っていることに、久延彦がお答えしたいと思います。どこへも足を運ばなくても、世の中のことをよく知っている久延彦に疑問・質問などをお寄せください。